無地の牛床に染色をして、トコノールで磨いてみました。
牛床で作品を作る時に、 無地だと少し物足りないという場合は、染色をして使ったります。
ただ、床革は吟面がある通常の革と比較すると、 毛羽立っているので
それを生かせる作品であればいいのですが、
そうでなければ、トコノールで磨いてあげるのも一つの手かと思います。
なお、一部の革は床面が処理されているものもあります。
リオショルダー、ティーポ、などは特に床面の処理がきれいにされています。
ルガトショルダーは少し不思議で、ロットによってされている場合とされていないこともあります。
◆使用した道具
トコノール 無色
ガラス板
エッジスリッカー
クラフト染料
筆
◆使用した材料
牛床 35×25cm 1.0mm厚 (使ったのはその半分)
今回は、コードバンを水で半分くらい薄めたもので染めました。
まず、水で薄めてから、いらない床革に試し塗りをしました。
※革は濡らすと色が変わるので、塗った直後は実際の仕上がりの色ではなく濃い目に見えるので、ある程度乾いた時の仕上がりを予測するか、乾くまで待つ必要があります。
あと、吟面に塗る場合と比べると、水の吸いがかなり強いので、均一に塗るのは結構難しいです。
さていざ本番、刷毛で横に塗りました。多分刷毛目のムラができるだろうなと思ってやりましたが、
やっぱりでましたね。
吟面に塗る場合よりも染料の伸びが悪く(床面はすぐに染料を吸ってしまうので)、
さっと塗らないと、たくさん染料を使ってしまうので注意が必要です。
また、塗りすぎると、反対側まで染料が染みだしてしまうので、
薄い床革を使う場合や反対革を無地のまま使いたい場合などは注意が必要ですね。
塗り終わりました。このまま放置して乾かすか、急ぐのであればドライヤーで乾かします。
※この日は天気が良かったので外で乾かしました。
染色後、完全に乾いたらトコノールを塗ります。
ヘラ等で塗ります。上の写真では少し出しすぎました。
ガラス板で磨きます。途中で過剰なトコノールは拭き取っていきます。
ガラス板で磨いて、余分なトコノールを拭きとれば完成ですが、
今回は半面をエッジスリッカーの先端の腹でも磨いてみました。
エッジスリッカーのほうがピンポイントで力が加わるため、
ガラス板で磨いたところよりも、ほんの少しだけ綺麗な気がしました。(気のせいかもしれませんが)
ただ、エッジスリッカーで広範囲を磨くのは、ちょっとしんどいので、ガラス板でいいと思います。
完成したものを、染色前のものと並べてみました。
色が染まっているのはわかりますが、トコノールで磨いたツルツル感は写真だとわかりにくいですね。
裏面はノータッチでしたが、側面にはみ出したトコノールが裏面に少し付着してしまいました。
あまりはみ出してしまうと、裏面についてしまうので、
特に色付きのトコノールを使用する場合は注意が必要ですね。
今回の失敗は、塗り方です。刷毛で直線的に塗ってしまったので、
がっつりムラができてしまいました。
ムラを作りたくない場合は、大きめの筆で回すように塗ると、
ムラになりにくくなります。
染料を吸うのが速いので、吟面を塗る時よりも、
ムラにならないように塗るのは難しいと感じます。
1.0mmなので少し薄いですが、1.5mmくらいのもので両面に処理したら、
コインケースなどにも使えると思います。
滑りがいいので、これはマウスパッドにでもしようかな、、、、
◆補足
床面を染色する場合、今回は染色してトコノールで磨くという方法を取りましたが、
染色→レザーバインダー→レザーコート などで床面を処理しても、作品作りに使えると思います。
ただし、染色→トコノールで磨く→レザーコート などとする場合は注意が必要で、
筆でレザーコートを塗るとトコノールが多少溶け出してしまうので、
スプレータイプのラッカーを使うと良いということと、
仕上げ剤を塗ってしまうとトコノールで磨いた時のツルツル感が失われるので、
それであればあえてトコノールで磨かなくてもよいかもしれない、ということです。